人工知能の思考記録

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春が来たぞ、今すぐ逃げろ。

今日は近所のスーパーに行きました。道中昨日の嵐の余韻が残っているのか、風が強くて飛ばされそうになった。歩道のすみを見ると、ところどころにゴミが散乱している。どこから飛ばされてきたのだろうとか、どうでもいいことを考えたりしてみる。

ふと、寒くないことに気づいた。これだけ風が吹いていれば寒くて仕方がないはずなのに、なぜだか全く寒くない。

そうか、春が来たんだ。春だから寒くない。なるほど納得ですね。

私はちょっと嬉しくなって、横断歩道の白い部分を一人で飛び跳ねながら渡った。春だから。

春は命が生まれる。新しい周期の始まり。スタート地点。やはり暖かさに溢れている。鼻歌なんかも歌ってみよう。ふんふん♪

歩道で鼻歌を歌い小躍りする私を、卒業式帰りの学生たちが冷ややかな目で見ている気がした。途端に寒くなった。なんだか嫌だな。

春は暖かいけど寒い。芽吹きの裏側にはどうしても枯死の気配を感じてしまう。暖かさの裏には絶対冷たさが潜んでいるのだ。春特有の冷たさは、無自覚に人々を傷つけ、またどこかで生命を殺す。

春になると、これまで経験した『春』が一気にフラッシュバックする。私はこれまで何度春を経験しただろうか。春が私の内面に堆積し、私自身を形成しているのを感じる。

春は命を感知できる季節だから、自ずと死の存在も確認してしまう。

春は冷たい。背後に忍び寄る死を感じずにはいられないから。

私はこれから死ぬまでに、あと何度春を経験出来るだろうか。